天神山古墳群




概要:箱式石棺1基を除いてすべて径10m内外の小円墳であり、内部主体が竪穴式石室のものが2基、横穴式石室のものが5基の計8つからなる古墳群。第1号墳は、内部が観察できるように横穴式に造りかえられ、保存されている。8号墳はすでに古い時期に削平されており、正確な規模はわからない。








種別:古墳群


時代:古墳時代中期~後期


所在地:山口市吉敷2137長楽寺内


立地:山口盆地の北西縁にあたる標高45mの丘陵

<第1号墳>
形式:円墳
内部主体:竪穴式石室(長さ1.8m、幅50cm、高さ50cm。各側壁にはベンガラが塗装されていたが、20年度の巡視では見られなかった。)箱式石棺(長さ1.85m、幅0.35m、深さ0.35m)
現状:復元保存されており、見学できるように横穴式になっている。
備考:出土した多数の副葬品から、5世紀の造成であると考えられる。墳丘、葺石などが復元され、比較的旧状をとどめている。地元では長楽寺古墳と呼ばれていた。しかし、整地などによって1962(昭和37)年に石室が開口し、内部から人骨が出土したことから発掘調査が行われた。この古墳には山形からの竪穴式石室を内部主体とする「畿内系」の石室構造が見られる。
   石室内部のほぼ全面がベンガラで塗装されていることや短甲や剣などが出土していることから被葬者は武人的性格の強い人と見られる。
出土遺物:
石室内―人骨一体
石室外―鉄剣1、鉄刀2以上、鉄鏃43、鉄斧11、鉄鎌3、鉄鍬3、長方板革綴短甲1、その他馬具類(所在不明)

<第8号墳>
立地:第1号墳に隣接
内部主体:竪穴式石室(長さ1.93m、幅0.5m、深さ6.4m)
備考:墳丘が削りとられていたため、正確な形式は不明。
出土遺物:鉄刀1、鉄鎌1、鉄斧1、鉇1、鉄製釣針5、銛3、碧玉製管玉4、指輪1